簿記のいろいろ
3全経簿記検定

(1)全経簿記検定とは

社団法人全国経理学校協会が主催する簿記検定試験を通常「全経簿記検定」といいます。また、全経上級試験は日商簿記検定1級と同様にその合格者には税理士の受験資格が与えられ、問題の質・レベルとも日商簿記検定と並んで高く評価されています。

全経簿記検定データ

受験資格 特になし
試験日程 毎年7月、11月、2月(ただし上級は11月を除く)
上級から4級
受験者数
(年間)
上級:約7,000人
1級会計:約13,000人
1級工簿:約14,000人
2級:約42,000人
3級:約75,000人
4級:約30,000人
申込 試験日の約2カ月前から全国の会員校および有名書店で受付けています。

(2)各級の概要(3級から上級)

1)3級

全経の3級は、日商の3級と試験範囲は同じですが、仕訳などにひっかけ問題がない分、日商と比べると易しいと感じるかもしれません。問題構成は5問ですが、問5に財務諸表(P/L、B/S、精算表)の作成となっており、問5が精算表と決まっている日商3級と比べると、P/L・B/Sの作成は慣れていないかもしれません。しかし、精算表の決算整理仕訳ができているのなら、さほど難しくはないでしょう。
「前受手付金」「前払手付金」といった全経でしか出てこないような勘定科目も、最近ではあまり使われなくなっていますので、日商受験者にも比較的違和感なく受けられると思います。

3級受験データ

受験科目 合格基準 試験時間 平均合格率
商業簿記 100点中70点以上 1時間30分 40%〜50%

2)2級

よく「日商の3級と全経の2級が同レベル」という話を聞きますが、正確には日商3級だけの知識では少々足りない部分があります。実際には「日商3級+α」という具合です。例えば特殊商品売買(割賦販売や積送品の処理)の仕訳や本支店会計など、日商では2級の出題範囲である論点も含まれます。特に本支店会計は第5問の財務諸表作成では本支店合併P/L・B/Sも出題されるので、その辺の知識が全くない場合には(出題にもよりますが)合格は辛いでしょう。しかし、日商2級の商業簿記をこなしている方ならば、特殊商品売買の処理や本支店会計も基礎論点なので、さほど難しい試験ではないと思われます。

2級受験データ

受験科目 合格基準 試験時間 平均合格率
商業簿記 100点中70点以上 1時間30分 45%〜55%

3)1級

全経の1級は「会計」と「工業簿記」の2科目からなり、2科目とも合格することで1級取得となります。科目合格は1年間有効で、1年以内にもう一方の試験に合格しなければ、科目合格が消失します。
両科目とも、日商2級に比べると1科目あたりの問題数が多いため、基礎論点が多く出題されています。また、問題用紙、解答用紙がB4用紙1枚ずつなので、日商に慣れている方には違和感があるかもしれません。
また、日商2級を取得されて、日商1級の勉強をはじめたばかりの方の力試しとして、ちょうどよいのではないでしょうか。

・会計
出題は5問構成。出題範囲は基本的には日商2級とほぼ同じなので、日商2級ベースですすめてよいのですが、「連結会計」の基礎問題(連結調整勘定の算定や少数株主損益の算定など)も出題されますので、若干日商1級の知識も必要になってきます。

・工業簿記
出題は4問構成。特に問4の原価計算表作成問題には40点近い配点があります。問4の内容としては、部門別個別原価計算、工程別総合原価計算、等級別総合原価計算、組別総合原価計算などの原価計算表の作成問題が多く出題されています。
問題量も多く、日商の商業簿記・総合問題のように、仕訳が10〜15題あり、その仕訳を解答しながら原価計算表を作成するといった、日商にはあまりない形式の出題もされます。しかし、工業簿記の基本といえる論点であり、工業簿記の流れが把握できていれば、さほど難しくはないと思われます。

1級受験データ

受験科目 合格基準 試験時間 平均合格率
会計
工業簿記
各科目
100点中70点以上
会計:1時間30分
工簿:1時間30分
会計:約30%
工簿:約50%

4)上級

出題範囲としては日商1級とほぼ同じ。近年は出題傾向も重なる部分も多く、基本的に日商1級をベースに勉強をすすめて大丈夫です。そこで使用したテキストや問題集などもそのまま使用できるでしょう。日商1級を受験された方は、やり残した部分や苦手だった箇所を中心にすすめ、全経上級の過去問題集をこなしていく勉強法で対応できると思います。日商1級とともに、合格者には税理士の受験資格も与えられます

上級受験データ

受験科目 合格基準 試験時間 平均合格率
商業簿記
会計学
工業簿記
原価計算
400点中280点以上
※ただし各科目40点以上
でなければなりません
商業簿記・会計学で
1時間30分
約12%
工業簿記・原価計算で
1時間30分

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